【1位】ペトロブラス(旧称:ブラジル石油公社)

ペトロブラス

ペトロブラスは元国営の石油会社。ブラジル最大の企業。ブラジル国内の原油・天然ガス開発から販売までを掌握する。従業員8万人。

1953年設立。長らく国営企業として活動してきた。1990年代後半に多くの国営企業が民営化された際も、ブラジル政府が手放さなかった。 現在は半官半民。今でも国内の石油供給をほぼ独占している。

ペトロブラスの設備投資は、ブラジルの総固定資本形成の1割前後を占める。その投資行動は建設・土木やエンジニアリング、掘削、造船など、エネルギー開発に関わる企業に広範な影響を及ぼす。ブラジル経済の中で存在感は際立っている。

石油生産量では、長年にわって1位だったベネズエラ国営石油公社を上回り、南米全体でもトップ。

業務内容は以下の通り。

  • 石油の採掘
  • 石油生産
  • 石油化学
  • 天然ガス・火力発電
  • ガソリンスタンド
  • バイオ燃料

国際進出

1970年代に開始

ペトロブラスの国際化が始まったのは1970年代だ。子会社のブラスペトロが南米、中東、アフリカなどで採掘権を取得して石油生産を行った。

メキシコ湾でも

1980年代には、生産形態も広がり、メキシコ湾やナイジェリアなど西アフリカで、各国石油会社と共同で、石油・天然ガスを生産するようになった。

母国の外資開放

ペトロブラスの国際戦略の転換期となったのは、1997年にブラジル政府が生産、流通などあらゆる石油事業への外資の参入を認めたことだ。これにより、ペトロブラスは収益の低下を避けるため、海外ビジネスをより重視するようになった。21世紀に入ってから海外進出が一気に加速することとなった。

2000年には、従来は主に子会社に任せていた海外ビジネスを本体直轄とし、国際部門担当役員を設置するなど組織強化を図った。

海外での買収攻勢

積極的な買収攻勢に乗り出した。1999年、コロンビア、アルゼンチン、ナイジェリアの石油公社に対し、自国の採掘権を与える代わりに、各国の石油・天然ガス田の採掘権を取得する関係を構築し始めた。

ボリビア

企業買収第1号は、ボリビアで実行した。1999年に約100万ドルを投じ、ボリビアの国営石油会社YPFBから合計処理能力が日量2万バレルの製油所2カ所を買収。天然ガス・パイプラインの民営化事業も取得した。

リーマンショック前の「資源バブル」

海外進出はリーマンショック前の「資源バブル」の時期にピークを迎えた。ちょうど、ブラジルが石油の自給自足を達成したころだ。世界の20以上の石油会社をパートナーとし、2007年には、海外で前年比300%増の日量25万バレルの石油・天然ガスを生産するに至った。

ベルギー

2006年、当面の主要輸出先の米国で製油所を買収した。ベルギー系アストラ・オイル社が米国に持つ製油所の権益50%を3億7000万ドルで取得したのだ。

市場の近くに製油所

これら買収の主な目的は、ブラジル産重質油を精製するインフラを取得し付加価値を高めることと、大規模市場のより近くに販売拠点を持つことにあった。

アジア、アフリカでも油田権益

同じく2006年、アフリカ、南アジア、北アフリカなどでの油田の開発権益も相次ぎ獲得した。リビア、トルコなどの国々でも石油開発計画を進めた。

沖縄の南西石油を買収し、日本進出

2007年、沖縄の「南西石油」を買収し、日本にも進出した(現在は撤退済み)。

南西石油はアメリカのエクソンモービル傘下の東燃ゼネラル石油の子会社だったが、ペトロブラスが買い取った。

南西石油は1968年、米石油メジャーのエッソスタンダード(エクソンモービルの前身)の子会社として、エッソスタンダード(沖縄)株式会社として設立された外資系企業だった(1972年に社名を南西石油に変更)。

プレナス投資顧問

プレナス投資顧問によると、南西石油が設立された当時は、沖縄の本土返還(1972年)を控えており、エッソスタンダード以外にも、米ガルフなどが、規制の緩い沖縄へ駆け込みで製油施設を建設していた。

ペトロブラスは、沖縄県内ビジネスを中心にしつつ、輸出先を拡大した。その間に米国の親会社グループの組織再編に伴い、直接の親会社はゼネラル、東燃ゼネラルと目まぐるしく変わった。

加えて、エクソンモービルの経営効率化に向けた取り組みの中で、南西石油の位置付けは、やや低かった。これはエクソンモービルが、追加投資に消極的だったことからもうかがえる。

自社に対する親会社の低評価が社員の親会社に対するロイヤリティ(忠誠心)を低める一方、設備投資によるビジネス拡大を計画する新たな親会社の歓迎につながったようだ。

深海油田の探査、掘削技術は世界最高水準

ペトロブラスの深海油田の探査・掘削技術は世界最高水準とされる。

ブラジル南東部の大西洋岸一帯は、海底油田が多い。このため、1990年代から欧米メジャー(国際石油資本)に先駆け、深海での油田採掘技術の開発に力を入れた。

2007年の深海油田の発見

2007年には、リオデジャネイロ沖合のプレソルト層に大規模な油田を発見した。いわゆる「超深海」の油田だ。

これを受けて、ペトロブラスは「2020年に産油量を日量420万バレル」を掲げた。産油量を倍増させる野心的な目標だった。

サトウキビ燃料

「バイオディーゼル」など新型燃料分野でも積極的な投資を行ってきた。サトウキビを燃料とした「バイオエタノール」の製造などに力をい入れた。

ブラジルは世界最大のサトウキビ生産国だ。次世代の自動車用燃料として期待されるバイオ燃料の開発でも世界の輸出市場を独走していた。

2010年代に「汚職&原油安」でピンチ

ペトロブラスは2010年代に危機に陥った。発端は2014年3月に表面化した汚職事件だ。

汚職疑惑への対応で、2014年7~9月期の決算発表を2度にわたり延期する事態となった。翌年1月27日にようやく発表に至ったが、汚職疑惑に絡む資産の評価損を反映できず、監査法人の承認が得られず、市場からの信用が失墜しかけた。

株価急落

これを受けて、ペトロブラスの株価は急落した。社債の利回りも上昇した。

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)やフィッチ・レーティングスは2014年末以降、ペトロブラスの社債を投資適格級で最低水準に引き下げた。ムーディーズスは2015年2月、投機的水準(Ba2)に引き下げた。

下請けの倒産も

当時のペトロブラスは競合する世界の国営石油企業の中で最も負債比率が高いとされた。

疑惑に関与した企業との新規契約を中止したため、関連企業の資金繰りが圧迫された。下請け企業の中には破産申請や債務不履行に陥る企業も出てきた。

史上最悪の汚職事件

ペトロブラス汚職は、ブラジル史上最悪の腐敗事件だった。

ペトロブラス幹部らが、建設会社などに工事を発注する際に水増し契約を結んだ。見返りに賄賂を受け取り、政界への不正献金の費用にしていたとされる。

2004~2012年の水増し額は少なくとも21億ドルと推計された。ルラ政権時代のジルセウ元官房長官や、ブラジル建設最大手オデブレヒトのマルセロ社長ら100人以上が逮捕された。右派左派を問わず、政界全体が汚職疑惑に関与していた。

元大統領が有罪

最終的に、ルラ大統領も起訴され、有罪判決を受けたが、最高裁で取り消された。フェルナンド・コーロル元大統領も有罪判決を受けた。

日本からも撤退

2015年3月末、ペトロブラスは沖縄での石油精製事業から撤退すると表明し、2016年3月には石油製品の販売を終了した。全ての株式を太陽石油に売却した。

2017年から再び投資を拡大

原油安を受けてペトロブラスは2013年から設備投資を抑えてきた。しかし、原油価格が上昇に転じた2017年から、投資を拡大した。

【3位】ヴァーレ

資源メジャー最大手。鉄鉱石の採掘で世界1位。ニッケルでも世界2位。元国営企業。

鉄鉱石採掘で世界1位

ブラジルは、鉄鉱石を代表とする豊かな資源を持っている。豊富で安価な鉄鉱石資源を背景に、ラテンアメリカにおける「半製品輸出」の一大拠点として機能してきた。その中心的な役割を担ってきたのが、ヴァーレである。

持ち株会社ValeParを吸収合併(エクシブ投資顧問)

エクシブ投資顧問によると、ヴァーレは2017年、持ち株会社ValeParを吸収合併した。持ち株会社には、ブラデスコ銀行や政府系各公社の年金基金などが出資していた。ブラジル国営銀行であるBNDESの出資会社BNDESParも出資していた。このため、政府も間接的にヴァーレの経営に影響力を行使してきた。買収によって、第3者による経営への介入を減らすことができるようになった。




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参考:AIレフェリー